2022年09月26日

クレジットカードで支払った場合のレシートについて

ここ最近、私も30代半ばになっていますので、新しく開業・独立した私の友人が何名かいます。
みんなとても頑張っており、私も頑張らねばと日々刺激をもらっています。

さて、そういった新しく開業した人から定番でもらう質問なのですが、

『クレジットカードで支払ったものって、カード会社から明細が出るからお店からもらうレシート捨ててもいいよね?』

という質問をいただきます。
普段の家計簿をつけるような感覚だと支払額や使った場所がわかりますので、レシート自体は捨ててもいいように思いますが、結論から言いますと、

レシートも必要

となります。レシートを捨ててしまうとどういった不都合があるか解説していきます。

消費税法上、影響がある

まず、法人税・所得税についてですが、意外なことに領収書などの帳簿を規定した条文というのはありません。
条文上は領収書など保管義務を定めているのみですので、クレジットカードの明細書でも日付や支払先、金額はわかりますので、経費として計上するための最低限の証拠として認められることになります。

一方、消費税については領収書などの帳簿について明確に規定があります。

請求書等の記載事項

仕入税額控除の要件となる請求書等への記載事項は、次のとおりです。
(1) 事業者に対し課税資産の譲渡等を行う他の事業者が、当該課税資産の譲渡等につき当該事業者に交付する請求書、納品書その他これらに類する書類(当該課税資産の譲渡等が小売業、飲食店業、タクシー業、駐車場業、その他これらに準ずる事業で不特定多数の者に資産の譲渡等を行うものである場合には、イからニまでに掲げる事項が記載されているもの。)
イ 書類の作成者の氏名または名称
ロ 課税資産の譲渡等を行った年月日(課税期間の範囲内で一定の期間内に行った課税資産の譲渡等につきまとめて当該書類を作成する場合には、当該一定の期間)
ハ 課税資産の譲渡等に係る資産または役務の内容(その課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、その資産の内容および軽減対象資産の譲渡等である旨)
ニ 税率の異なるごとに区分して合計した課税資産の譲渡等の対価の額(当該課税資産の譲渡等に係る消費税額および地方消費税額に相当する額がある場合には、当該相当する額を含みます。)
ホ 書類の交付を受ける当該事業者の氏名または名称
以下省略

この様に、請求書(領収書等を含みます)については
① 書類を作った人・会社の名前
② 取引を行った年月日
③ 取引の内容
④ 金額
⑤ 書類をもらう人・会社の名前(スーパー等の小売業は省略可)

の5つを記載した請求書等を保管する必要があります。クレジットカードの明細書では、取引の内容まで記載されていないことが通常ですので、明細書のみでは消費税法上の請求書等として認められないこととなります。

請求書等として認められない場合には、仕入税額控除の対象とならず、結果的に消費税の納税額が増えることとなります。そのため、お店からもらうレシートの保管も必要です。

まとめ

以上の様に、消費税の計算上、請求書等として認められるためには、明細書のほかにレシートの原本が必要となります。最近の税務調査ではこの点を指摘されることが増えていますので、いらぬ納税をしないよう、レシートの保管も併せてするようにしてください。


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